外国人にとってアリペイが使えるコンビニが「観光スポット」となるワケ

日本全国に約55,000店あり、東京都内だけでも7,000店舗以上あるコンビニは、すっかり私たちの生活に欠かせないものになりました。24時間営業・豊富なラインナップなどは日本人なら誰もが知るところですが、「コンビニではこんなこともできるのか!」と驚いてしまうような幅広いサービスも魅力です。

そんな日本のコンビニに、今訪日外国人観光客が押し寄せているというのです。訪日外国人は、いったいコンビニで何をしているのでしょうか?

なぜ日本のコンビニが訪日外国人の人気を集めているのか、以下で見ていきましょう。
 

ローソンの調査でわかった訪日外国人のコンビニ人気

最近、訪日外国人観光客が訪日旅行の際にコンビニを訪れることが多くなっていますが、そのことがよくわかるデータがあります。

ローソンは訪日客の増加を受け、中国で多く利用されているモバイル決済サービス「支付宝(アリペイ・Alipay)」を2017年1月から全店舗で導入しました。それに伴いローソンは、2017年1月24日(火)から2月5日(日)の間、アリペイの利用状況を調査しました。

ローソンの発表によると、期間中のアリペイ利用件数は5万2,000件を超えたということです。

調査期間は中国の旧正月にあたる春節に前後3日間を足した期間にあたり、導入後アリペイは札幌、東京、大阪、京都、福岡、沖縄を中心に約3割の店舗で利用されました。

日本でのアリペイの利用者は中国・香港・台湾などからの訪日客が大多数ですが、この結果を見ると多くの訪日外国人がコンビニを訪れていることがわかります。

日本のコンビニは海外とどう違う?

海外にもコンビニエンスストアと同じような店舗形態をとる店舗は存在します。しかし、それは日本のコンビニと少し異なるようです。

まず、コンビニの大きな特徴である24時間営業ですが、特にヨーロッパなどではめずらしいといいます。

日本の大手コンビニ各社はアジア圏を中心に店舗を展開しているので、アジアには日本と同じような24時間営業のコンビニもあるようです。しかし、ヨーロッパではコンビニ自体がほとんどない上、24時間営業の店というのもあまりありません。

そのため、24時間いつでも買い物ができ、ATMなどのサービスも24時間利用できるというのは訪日客には魅力的にうつるようです。

また、商品のラインナップも海外ではめずらしいということです。

おにぎりやサンドイッチなどの軽食は海外のコンビニエンスストアでも見られるということですが、野菜や果物などの生鮮食品や、雑誌、衣類などが売っていることは基本的にないようです。

さらに、サービスの幅広さという点も海外のコンビニエンスストアとは異なります。

日本のコンビニで一般的なサービスというと、コーヒーサーバーや印刷機、ATMなどがあります。しかしこれらは海外のコンビニエンスストアではあまり見かけないといいます。ATMは設置しているところもありますが、日本ほど高性能なものではないようです。

このように、店舗のコンパクトさに見合わないほどの多彩な商品ラインナップ・豊富なサービスを提供する日本のコンビニに驚く訪日客は多いようです。

訪日外国人はコンビニをどう利用している?

日本のコンビニは海外のコンビニエンスストアとはかなり異なることがわかりましたが、訪日外国人観光客はどのように日本のコンビニを利用しているのでしょうか?その利用の仕方に日本人との違いはあるのでしょうか?見ていきましょう。

使い方①:お土産を購入

訪日客のなかには、お土産をコンビニで買う人も多いようです。

2004年に発売された抹茶味のキットカット(ネスレ)が海外でブームになるなど、日本のお菓子は海外でも人気があります。それをお土産にと考える訪日客も多いようです。

日本人の感覚だとお菓子を買うならスーパーのほうがよいのではないかとも思われますが、値段の違いをそれほど気にしない外国人にとっては、スーパーより街中で見つけやすいコンビニで手軽にお土産を購入することも一般的なようです。

使い方②:行き場のない夜に

また訪日客のコンビニ利用は、最近インバウンド業界でも話題になっている「ナイトタイムエコノミー」とも関係があります。

現在日本には夜間に訪日外国人観光客が楽しめるコンテンツが少なく、あったとしてもその存在が訪日客に伝わっていないという現状があります。夜間(主に20時以降)に行ける場所がないと、訪日客はホテルから出なくなってしまい、その分夜間の消費額が少なくなります。

その問題を改善し、夜間にも訪日客にお金を使ってもらえば経済にかなりの効果があるとする考えが、ナイトタイムエコノミーです。

コンビニは、そのナイトタイムエコノミーの視点からも優れているといえます。

あまり長居するような場所ではなく、居酒屋などに比べれば客単価も低いものの、コンビニは基本的に24時間営業ですので、訪日客が夜間に訪れ、消費する場にもなりえます。飛行機が遅い時間に到着し、他の店がすべて閉まっていてもコンビニだけは開いていた、ということもあります。

コンビニは、夜間に行き場を失ってしまった訪日外国人の受け皿にもなっているようです。

使い方③:朝食や必需品を購入

前述したローソンの調査では、アリペイが利用された店舗は、観光地のど真ん中よりもホテルなどの宿泊施設に近い店舗が多かったということがわかっています。

期間中の購入商品ランキングでは、1位が200mlの牛乳、2位も500mlの牛乳だったということです。中国では朝に豆乳を飲む文化がありますが、日本の調整豆乳は中国の豆乳と異なるので、代わりとして牛乳を飲む人が多いということがこの背景にあるようです。

このように、朝食や生活に必要なものを宿泊施設近くのコンビニで購入している訪日客が多いようです。

日本人でも食事をコンビニで買うことはありますが、どちらかというと一般的にはスーパーのほうがよく利用されているのではないでしょうか。

まとめ:日本のコンビニは海外にない価値を提供している

日本のコンビニは、海外のコンビニエンスストアとその営業形態・商品ラインナップ・サービスにおいてかなり違いがあることがわかりました。そして、そのような海外のコンビニエンスストアにはない価値を提供しているからこそ、日本のコンビニは訪日外国人を惹きつけられたのだと考えられます。

これからもコンビニは訪日外国人観光客にとって、訪日旅行の大事な「お供」であり続けるでしょう。

https://honichi.com/news/2018/11/09/inboundxconveniencestore/